「竹中英太郎について」のレポート・・・・

6月29日に「竹中英太郎について」のレポートを書かれるため、ご来館下さいました山梨大学の3年生M.U.様が、まとめられた資料をお持ち下さいました。
A4サイズに3枚。
1. 竹中英太郎年譜 
2. 人物像 
3. 英太郎の描く絵
4. 感想の4つの項目に分けて書かれておりました。 
M.U様H21.6.29.JPG
M.U様に許可を頂きましたので感想のみを書かせていただきたいと思います。
「感  想」 
わたしは、竹中英太郎氏のことについて調べるという課題が与えられるまで、英太郎氏についてなにも知らなかった。そこで、湯村の杜・竹中英太郎記念館を訪ねた。そこはとても落ち着いた雰囲気で、リラックスできる空間であった。
2階に上がり、まずわたしの目に飛び込んできた「哀しみのマリア」に衝撃を受けた。うまく言葉で表現することができないのだが、一瞬、時がとまったような気がした。怖いとか恐ろしいとかそういう感覚ではなく、ある種の不安のような、それでいて惹きつけられてしまう、不思議な感じがした。
 その隣にある「少女像a」「少女像b」にも目を奪われた。絵の中の少女の悲しくも力強い瞳に、なぜだか分からないが、敵わないな・・・と感じたのであった。
 他にも「沖縄の舞姫b」の女性の頭に髪飾りのように乗せられている蛇や、「桜散る女」では女性の頭が下に描かれているなど、なぜそう描いただろうと考えさせられる絵がたくさんあった。竹中英太郎記念館の館長、金子 紫さんは「父が生きている時に気づいていたら、理由を聞くことができたのだけど・・・」とおっしゃっていた。
きっとわたしが味わったことのないような怒りや悲しみを英太郎氏は経験してきたのだろうなと、絵から感じた。絵のことはなにもわからないわたしでも、英太郎氏の絵には心揺さぶれた。何不自由なく生活している現代人のひとりとして、もっといろいろなことを見て、考え、生きていかなければいけないと思った。

今回、竹中英太郎氏の絵に出会えたことに、感謝している。


今まで、何回か英太郎の研究ということで学生さんが記念館にお勉強にみえられました。そのたびにどのような英太郎像になるのか、皆様からの報告書が届くのを楽しみにしておりました。しかしどなたもM.U様のようにお持ち下さることはありませんでした。
今回、まだ20歳という若さで、何をするべきか、常識をしっかり身につけられているすばらしい学生さんに巡り合う事が出来、本当に嬉しく思いました。
女性として、教師としても立派に成功される方だと心から思います。
卒業後は出身地へ戻られてしまいますが、竹中英太郎のことをいつまでも忘れずに覚えていて欲しいと願っております。
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日記 | comments (4) | -

コメント

kako | 2009/08/01 07:11 PM
館長、約束通りブログに載せて下さって有難うございました。
賢く、素敵な学生さんですね!!

M.U様
素直な表現と賢さがにじみ出るような感想文に、20歳のいえ、これから日本を担う大きな担い手のお一人であることを大変嬉しく思いました。
「何不自由なく生活している現代人のひとりとして・・・」此の事を認識する事すら出来ないでいる若者が多い中、英太郎画伯の絵画から、それを学び取ることが出来たということは素晴らしい事です。

良き教育者として、次代の子供たちをしっかり見つめて行ってあげて下さいね。
又、折をみては記念館(館長のところ)へ立ち寄ってあげて下さいね。
感想文、本当に有難うございました。
館長・紫 | 2009/08/01 08:02 PM
Kako様、
M.U様のやさしいお顔が、すべてをあらわしているように思います。
きっとご両親様の教育がしっかりされておられたのでしょうね。
M.U様のレポート、父に報告いたしました。
こんな可愛らしいお嬢様からの言葉に、いつものようにちょっと照れている父の姿が目に浮かんでまいります。
M.U | 2009/08/02 07:23 PM
kako様
拙い文章ですので、皆様に読んでいただくのは恥ずかしいと感じておりました。しかしkako様からそのようなお言葉をいただき、とても嬉しく思っています。
記念館で学んだことは、これからも忘れません。またぜひ、館長様に会いに行かせていただきます。

館長様
昨日は、とても楽しい時間を過ごすことができました。館長様とたくさんお話もでき、嬉しかったです。
また、記念館にお邪魔させていただきますね。
館長・紫 | 2009/08/02 08:13 PM
M.U様、こんばんわ!
コメント有難うございます。
kako様もきっと喜ばれる事でしょう。

拙い文章なんてとんでもありません。素直な気持ちが表れていて、素晴らしいと思います。
また、ぜひ記念館に遊びにいらしてくださいね。
山梨にいらっしゃる間に、思い出を沢山つくって欲しいと願っております。
少しでもそのお手伝いが出来ればと思います。